寄付というと、どのようなイメージを持たれるでしょうか?
寄付が実際にどのように使われているかイメージできないため、懐疑的な気持ちを持たれる方も多いのではないでしょうか。
また、芸能人が多額の寄付をすると「偽善、売名行為」などと言われてしまい、何となく寄付をしやすい社会ではないと感じている方もいるのではないでしょうか。
キフシルでは、寄付をしたことがある方20人にアンケートを取りました。
すると、初めから寄付に対して良いイメージを持っている人ばかりではありませんでした。
では、そのような人たちがどうして寄付をしようと思ったのでしょうか。
こちらの記事では、実際に寄付をしている人、していない人の意見から
- 寄付をする理由
- 寄付をしない理由
について解説します。
寄付をする理由5つ
当事者意識があるから
日本災害救援ボランティアネットワークという、日本国内の被災地の救援を行っているNPO団体に寄付をしました。
私自身、台風で24時間以上停電するという被害に遭ったことがあります。
その経験もあり、災害支援を行なっている団体に寄付をしました
親戚が東日本大震災で被災し、現状を目の当たりにした時に、何か自分に出来ることをしたいと思いました
認定NPO法人フローレンスという、日本のひとり親世帯を支援する団体に寄付をしています。
私自身が片親という環境で育ったこともあり、以前から児童福祉支援活動を行う認定NPO法人には興味があったので、こちらの団体にしました。
街頭募金や募金箱とは違い、毎月の定額寄付などを行う場合、支援に共感できない団体へは寄付できないと思います。
そのため、自分や知人が辛い経験をしたときに、今後このような思いをする人を減らしたい。
このような思いで寄付を始めた方は多くいらっしゃいました。
身近な人に誘われたから
ボランティアを積極的に行なっている知人に、VALUE BOOKS(チャリボン)という読まなくなった本を寄付する団体を勧められました。
同僚に誘われて、寄付をしました。
そのNPO団体を知るにつれ、本当に困窮している人はたくさんいるのだなと実感しました。
同僚に誘ってもらえて本当に良かったです。
NGO/NPO団体に寄付をするには、何も知らない状態からはできないと思います。
知人がNGO/NPO団体に関わっていると、活動が身近なものに感じられ、寄付へのハードルが下がります。
いいことした気分になるから
救世軍が行なっている、年末の街頭募金に毎年寄付をしています。
寄付後は、役に立ててよかったという気持ちになります。
ヘアドネーションで髪の毛を寄付しました。
寄付は偽善者のように感じてしまう人もいるかもしれませんが、たとえ偽善であったとしても、誰かがそれで喜ぶなら良いのではないかと思います。
また、髪の毛は普通に美容室でカットしてしまえばゴミになるものですから、それをむしろ誰かが役に立ててくれるなら、これほど嬉しい事はないと思います。
「寄付は偽善だ」と言われることもありますが、良いことをしたなという気分になることは決して悪いことではありません。
1人ではできないことを成し得るから
地元の動物愛護団体に寄付をしています。
寄付をした理由は、自分一人ではできないことも、多くの人を巻き込んで活動することで、大きな力・活動になることだと思ったからです。
そう言った意味では、私の想い、小さな支援を、大きな形にして貰えた団体に感謝していますし、地元で信頼できる団体が、大きく成長し、地元にも良いイメージを持たれ活性化されることは、喜ばしいことなので、今後も微力ながら寄付して行きたいと思っています。
アムネスティ日本という、国際NGOに寄付をしました。
理由は、LGBTの権利を保証してほしいという署名活動を行い、内閣総理大臣に提出をするといった活動をしていたのを知ったからです。
今後も応援と動向を見て応援していきたいと思っています。
- 世界の貧困をなくしたい
- 伐採される森林を守りたい
- 子どもの虐待を減らしたい
- 動物の殺処分を減らしたい
など、1人では解決できない社会問題はたくさんあります。
また、このような問題は行政だけでは解決できないこともあります。
そのような問題を、NGO/NPO団体は解決に一歩近づけることができます。
何か社会貢献をしたいから
きっかけは、なにか特別な経験をしたからではありません。
社会人になって5年ほど経ち、労働者としての社会参加以外の方法でなにか社会貢献がしたいと思ったからです。
寄付を始めてみると定期的に届く会報で支援内容を知ることにより、自分が働くことの意義もより一層感じることもでき、仕事にも好影響を及ぼしていることを感じました。
寄付をしない理由7つ
ネガティブなイメージが強いから
保護猫カフェを運営している動物愛護団体に寄付をしました。
寄付前は、寄付に対して、ちゃんと寄付は届いているのだろうか?とネガティブな印象を持ってました。
というのも東日本大震災の時、寄付金をどうように分配するかでモメて被災者に行き渡らないという事を聞いたからです。
ですが、保護猫カフェという活動を目の当たりにして、イメージが変わりました。
実際にNPO団体などが活動しているところを見ることで、役立ってている、ということが実感できました。
フードバンクというまだ食べれるのに廃棄される食品を集めて寄付をしている団体に食品を寄付しました。
正直、寄付に対して最初はあまり良い印象はありませんでした。
自己満足で偽善だと思っていました。
ですが寄付をしてそのNPO団体を知るにつれ、本当に困窮している人はたくさんいるのだなと実感しました。
一度始めると止められなさそうだから
多くのNGO/NPO団体は、単発の寄付の他に、毎月一定額寄付する仕組みを持っています。
毎月の寄付は、毎月数千円であることが多いのですが、一度寄付を始めると、やめるタイミングや方法が分からないから、始めるのが怖い、という意見もあります。
確かに、寄付を初めてから、経済的な事情が変わることもあると思います。
まず自分の生活が大事ですので、自分が寄付が苦しいと感じたら、やめることは決して惡いことではありません。
そのためにも、寄付を始める前に、退会方法なども事前に調べておきましょう。
寄付は任意で、金額もそれぞれの形で構わないですし、できない時は、しなくても構わないと思います。
自分でできる範囲で良いと思います。
売名行為のように感じるから
著名人や大企業が多額の寄付をした、というニュースを見たときに、このような意見が出てくることがあります。
しかし、著名人や大企業が多額の寄付をしたことと、一般人が寄付をした、そのお金の価値が変わるわけではありません。
また、著名人が寄付をしたということが報じられると、より多くの方にその活動を知ってもらえる機会にもなります。
犬の殺処分0を目指している、ピースウィンズジャパンに寄付をしました。
寄付後に、インターネットのショップでも可愛い犬のグッズを購入することで、寄付ができることも知りました。身近なところで啓蒙活動ができるといのも良いなと思います。
手順が煩雑そうだから
クレジットカード番号の入力、銀行振込が面倒だと感じてしまい、寄付をしたいと思えません。
街頭募金や募金箱への寄付は簡単なのでよく行なっています。
新型コロナウイルスで外出がしづらい時期が続いていますが、
お金がないから
経済的に余裕がない、と感じている状態のときは、寄付する必要はありません。
日々の生活ができて、貯金がある程度できるようになり、心に余裕ができたときに、寄付を考えてみて下さい。
興味がないから
知らない・興味のないNGO/NPO団体に自分の大切なお金を寄付することはできないと思います。
また、NGO/NPO団体をテレビやインターネットで知ったとしても、その活動に賛同できないと、寄付をしようという気持ちにはならないと思います。
自分には何の利益もないから
1000円で見ず知らずの他人を救うより、自分の好きなものを買いたいなと思います。
寄付をするということは、自分以外の人の支援にお金が使われるということになります。
寄付金控除は、自分が寄付した金額の一部が返ってくるだけであり、決してお得にはなりません。
なぜ寄付をするのか分かる!動画・本3選
寄付をしてみよう、と思ったら読む本
著者の渋澤健さんは、歴史的に有名な渋沢栄一の子孫(玄孫)で、ご自身も実業家として活動しています。
もう1人の著者の鵜尾雅隆さんは、日本ファンドレイジング協会の代表理事を務められている方です。
ファンドレイジングとは、NPO(Non-Profit Organizations : 民間非営利団体。NPO法人のみならず公益法人、社会福祉法人などを含む)が、活動のための資金を個人、法人、政府などから集める行為を総称していう。(日本ファンドレイジング協会公式ページより)
ファンドレイジングについては本の中でも紹介されており、日本ではなじみのない言葉ですが、海外では人気職業に入るほど知名度があります。
また、日本の寄付の歴史にも触れ、日本でも寄付は身近なものであったこと、お金の使い方から考える寄付そのものの役割について解説しています。
また、実際にどのようなNPO団体があるかという実例も紹介されています。
【寄付をしてみよう】YouTube大学
上記の「寄付をしてみよう、と思ったら読む本」を動画で解説してくれているのが、中田敦彦さんのYouTube大学です。
世の中を良くして自分も幸福になれる「寄付」のすすめ
寄付というとお金持ちがやっている、偽善などといったイメージもありますが、この本では普通の生活者が無理せず生活の中で寄付を楽しみながら行っている姿が紹介されています。
人のために何か自分がすることで幸せを感じるという研究結果もあり、寄付は誰か困っている人を助けるだけではなく寄付した人の気持ちも豊かにしてくれるものなのです。(Amazonのレビューより一部抜粋)
著者の近藤由美さんも、以前は寄付とは縁遠かった一般人でした。
そんな著者が、実際にNPO団体に通ったり調べたりして、著者自身が寄付をし始める流れなども書かれています。
寄付初心者に親しみやすい本と言えます。
まずはどんな団体があるか調べてみよう
寄付をしている人、していない人のそれぞれの理由についてご紹介しました。
寄付をする理由、寄付をしない理由に共通することは、どんな団体・活動しているか分からないと寄付をしようという気持ちにならないことです。
そのため、まずは
- 自分が気になった社会問題について調べてみる
- 広告で見たNPO/NGO団体について調べてみる
- 団体で活動している人、寄付をしている人の口コミやSNSを調べる
ということをしてみましょう。
そうすると、寄付へのハードルが下がり、寄付をしてみようかな、という気持ちが芽生えてきます。