ユニセフの親善大使として、数々の活動を通じて世界の子どもたちの生活向上に貢献している黒柳徹子さんとアグネス・チャンさん。
彼女たちはそれぞれ異なるアプローチと専門知識を活かしてユニセフのミッションを推進し、世界中の子どもたちに対する支援を行っています。
しかし、彼女たちの具体的な活動内容や、ユニセフに対する貢献はどのような形で行われているのでしょうか?また、黒柳さんとアグネスさんの間にはどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、黒柳徹子さんとアグネス・チャンさんのユニセフでの役割について深堀りし、それぞれの活動や募金について詳しく解説します。
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ユニセフとは?
ユニセフは子ども支援を行っている
ユニセフは、1946年に設立された国連の専門機関で、全世界の子どもたちの権利を保護し、生活の向上を図るための活動を行っています。
その公式名称は「United Nations Children’s Fund」で、日本語に訳すと「国連児童基金」となります。
ユニセフの主な活動は、子どもたちが健康で安全に成長できるように、また教育を受けられるようにすることです。
ユニセフの活動内容は?
具体的には、途上国の児童への予防接種、清潔な飲料水の確保、栄養補給、教育の機会の提供などがあります。
ユニセフは資金を必要とする子どもたちのために、各国で募金活動を実施し、それらを途上国の子どもたちのためのプログラムに投資します。
また、災害や紛争が発生した際には、緊急援助を提供する役割も果たしています。
寄付金控除の対象団体です
ユニセフ親善大使とは?
ユニセフ親善大使とは?
ユニセフ親善大使は、公の場でユニセフの目標と活動を広め、子どもたちの生活改善に必要な支援を募るための啓発活動を行っています。
ユニセフ親善大使は、一般的にはその分野で尊敬され、認識度が高い著名人で、その影響力を活用してユニセフのメッセージを広く伝えます。
ユニセフ親善大使には映画スター、音楽家、作家、スポーツ選手など、様々なバックグラウンドを持つ人物が含まれます。
ユニセフ親善大使の役割は?
ユニセフ親善大使の役割は多岐にわたります。ユニセフのプログラムを直接訪問し、子どもたちの現状を目の当たりにすることで、具体的な問題とその解決策をより広く知らせることが求められます。
さらに、親善大使は、ユニセフのイベントに参加し、報道機関とのインタビューを通じて、世界的な児童問題についての認識を高める役割も果たします。
ユニセフ親善大使はまた、緊急の人道的危機が発生したときには、その影響を受けている子どもたちに対する支援を呼びかけることもあります。
これは、資金調達だけでなく、政策制定者や一般の人々に対する意識の喚起を通じて、子どもたちの権利の保護と改善を促進するための活動でもあります。
ユニセフ親善大使にはどのような人がいるの?
ユニセフ親善大使は、
- 日本ユニセフ協会など、各国のユニセフ国内委員会大使
- 中東・北アフリカ地域、フランス語圏、アジアなどの地域大使
- 国際大使
に分かれています。
ユニセフ親善には、以下のような方々が就任されています。
日本ユニセフ協会親善大使
- 長谷部誠
- 故 日野原重明
アジア親善大使
- アグネス・チャン
- チェ・シウォン(韓国の歌手・俳優) など
国際大使
- 黒柳徹子
- オーランド・ブルーム
- デイビッド・ベッカム
- 故 オードリー・ヘップバーン など
今回の記事で取り上げる、黒柳徹子さんとアグネス・チャンさんは、ユニセフ親善大使として、それぞれの方法で役割を果たしてきました。
次の章では、それぞれの活動について解説します。
黒柳徹子さんとアグネス・チャンさん|ユニセフでの活動の違い
黒柳徹子 | アグネス・チャン | |
---|---|---|
ユニセフ親善大使 | ユニセフ親善大使 (国際大使) 1984年〜現在 | 日本ユニセフ協会大使 1998年4月〜2016年3月 ユニセフ・アジア親善大使 2016年3月〜現在 |
活動内容 | 海外訪問や講演会 政府への働きかけ 海外視察の様子を紹介 | 海外訪問や講演会 政府への働きかけ 海外視察の様子を紹介 |
募金先 | 個人口座からニューヨークのユニセフ本部に寄付 | 特になし (日本ユニセフ協会を紹介) |
報酬 | なし | なし |
黒柳徹子さんはユニセフにどのように貢献した?
黒柳徹子さんとユニセフ:歴史と関係性
黒柳徹子さんは、1953年より女優として活躍し、1984年からユニセフの親善大使を務めています。
1984年当時、ユニセフ親善大使としてアジアから任命されたのは初めてのことでした。
2003年春には親善大使としての活動を高く評価され、勲三等瑞宝章を受章し、2015年には文化功労者を受賞しています。
黒柳徹子さんの活動
黒柳徹子さんは、これまでに延べ39カ国の海外訪問を行い、現地の子どもたちの生活状況を直接見てきました。
また、黒柳徹子さんは数多くのユニセフのイベントに参加し、メディアを通じてユニセフの活動と目標を広めてきました。
自身の著書やテレビ出演を通じて、子どもたちが直面する問題やその解決策について広く語り、多くの人々にユニセフへの募金を呼びかけてきました。
他にも、黒柳徹子さん自らが募金を呼びかけて、南スーダンに武力紛争の影響を受けた子どものための心のケア施設「トットちゃんセンター」の開設を行いました。
これらの活動により、黒柳徹子さんはユニセフの親善大使として、多大な影響力を発揮してきたのです。
黒柳徹子さんとユニセフへの募金
ユニセフへの募金は、各国のユニセフ国内委員会が行い、日本では日本ユニセフ協会がその役割を担っています。
ですが、黒柳徹子さんは個人名義の口座で独自に募金を集め、ユニセフ本部に、手数料などを一切取らず募金を行っています。
黒柳徹子さんが呼びかけたこの募金は、1996年8月にオープンしたスーダンの「トットちゃんセンター」に寄付などに使用された、
ユニセフ親善大使 黒柳徹子の口座に振り込んでいただいたお金は、事務費用など1円もいただかずに、全額をニューヨークのユニセフの本部に送らさせていただいています。(中略)
また、募金をしてくださった方々に「ありがとう」のお礼のお手紙をお出ししておりません。それは、84円の切手を貼ってお手紙をお出しすると、それにかかる費用で、ワクチンや薬などが買えて、何人もの子どもの命が救えるので、その費用分も子どもたちのために使いたいと思っているからです。ごめんなさい。
みなさまが、私を信じてくださって、募金をお送りいただいていますこと、心から感謝しています。
黒柳徹子オフィシャルウェブサイトトットちゃんより引用
現在は呼びかけなどを行っていませんが、この黒柳徹子さんの口座への寄付は、2023年6月までの38年間に64億円を送金しました。
- 日本ユニセフ協会の2022年の収入(募金に加え、会費、寄付金、雑収益など)約335億円
- その内87.4%に当たる333億円をユニセフ本部に拠出し、12.9%は、ユニセフ本部との協力協定に基づき、国内での募金活動や、広報・アドボカシー活動、国際協力に携わる人材の育成活動などに使用
黒柳徹子さんのように個人的なネットワークと影響力を利用して資金を集めることは、特定の問題やプロジェクトに対する深い関与とともに、寄付の全額がユニセフの活動に使われることを保証できます。
一方、日本ユニセフ協会による募金収集は、広範囲の活動をサポートし、大量の資金を集める能力があります。その多様性はユニセフの活動を支え、より多くの子供たちへの援助を可能にします。
これらの違いを理解することで、ご自身が世界の問題にどうアプローチしていくか、ユニセフを支援したいと思ったとき、どのような方法で支援するかの判断の一助になります。
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アグネス・チャンさんはユニセフにどのように貢献した?
アグネス・チャンさんとは?
歌手・エッセイスト・教育学博士 (Ph.D)
1955年、香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。1984年、国際青年記念平和論文で特別賞を受賞。1985年、北京チャリティーコンサート後のエチオピア難民キャンプ訪問が大きな転機となり、芸能活動のみでなく、ボランティア活動、文化活動にも積極的に参加する。
日本ユニセフ協会公式サイトより引用
アグネス・チャンさんは、1998年にユニセフの親善大使として任命されました。
また、アグネス・チャンさんはユニセフ・アジア親善大使だけでなく、2008年には日本対がん協会のほほえみ大使にも就任されています。
ユニセフ親善大使としてのアグネス・チャンさんの活動
アグネス・チャンさんは、世界各地のユニセフの現場を訪れ、さまざまな危機に晒されている子どもたちの現状を広く世界に訴えています。
終戦直後のイラク、シリア、インド、ブルキファソナ、など多くの国を訪問し、講演会や著書やメディアを通じて、命の大切さ、平和を訴えています。
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黒柳徹子さんとアグネス・チャンさんの活動の比較
活動内容
黒柳徹子さんはユニセフの国際大使、アグネス・チャンさんは日本ユニセフ協会大使を経てユニセフ・アジア親善大使として活動しています。
ユニセフ親善大使の立場は違いますが、黒柳徹子さんもアグネス・チャンさんも、海外訪問や講演会、政府への働きかけ、海外視察の様子をメディアやご自身の著書で紹介するなどの活動を行っています。
募金活動
黒柳徹子さんもアグネス・チャンさんの大きな違いは、募金活動です。
黒柳徹子さんは、個人口座でユニセフ本部に募金をするという活動を行っています。
一方アグネス・チャンさんは、緊急支援の日本ユニセフ協会への募金の呼びかけや、ハンド・イン・ハンドキャンペーンのようなユニセフ募金のキャンペーンの呼びかけなどを行っています。
黒柳徹子さんとアグネス・チャンさんは、ユニセフの活動を広めている
ユニセフの活動は、子どもたちが健康で安全な環境で育ち、教育を受けることができるよう支援するためのものです。その活動は世界規模で行われ、多様な課題に対して取り組んでいます。
その中で、黒柳徹子さんとアグネス・チャンさんのような親善大使の役割は、非常に重要なものとなっています。
黒柳徹子さんとアグネス・チャンさんは、自身の影響力を活用してユニセフの活動を広く紹介し、多くの人々に対する理解と支援を深める役割を果たしてきました。
それぞれが異なる地域や専門分野に焦点を当てて活動することで、ユニセフの活動はより広範で具体的なものとなり、多くの子どもたちに直接的な恩恵をもたらしています。
これらの活動を通じて、黒柳徹子さんとアグネス・チャンさんは、ユニセフの使命である全ての子どもたちが「生きる権利」を享受することを実現するための重要な役割を担っています。
彼女たちの活動は、我々が子どもたちの未来をどのように支えるかという問いに対する一つの答えを示しています。そしてそれは、我々自身も子どもたちの未来に対して何ができるかを考えるきっかけとなります。