ユニセフは、子どもたちの未来を明るくするため、持続可能な開発目標(SDGs)の普及と実現に向けて様々な活動を展開しています。
特に、子どもたちがSDGsを理解し、関与できるような環境を整えることに重点を置いています。
こちらの記事では、ユニセフのSDGsに対する取り組みを詳しく解説し、その活動を支援するための募金、そして子どもたちがSDGsについて学ぶための動画や教材について紹介します。
SDGsとは何か?
MDGsからSDGsへ
MDGs(ミレニアム開発目標)は、2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された、
- 貧困の撲滅や初等教育の完全普及
- 乳幼児死亡率の削減や妊産婦の健康の改善
- 環境の持続性確保
など、8つの目標を設定し、それぞれに関して具体的に達成すべきターゲットを掲げた国際的な開発目標です。
MDGsは、2015年までの15年間に達成すべき目標であり、途上国を中心に、貧困削減や健康、教育、環境などの分野での取り組みが行われました。
MDGsは、2015年にSDGs(持続可能な開発目標)として継承され、より広範な目標とターゲット、持続可能な開発の視点などが加えられました。
SDGsとは
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で、「持続可能な開発目標」を意味します。
SDGsは、国際連合が2015年に採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の一部であり、全ての国が経済的、社会的、環境的な側面から持続可能な開発を達成するための共通の行動計画を指します。
SDGsは具体的には17の目標と169のターゲット(ゴールをより具体的に掘り下げたもの)から構成され、それぞれが地球上の貧困を終わらせ、平等と公正を実現し、気候変動に対抗するといった目標を具体化しています。
これらの目標は相互に関連しており、一つの目標を達成することが他の目標達成にも関わってきます。
SDGsはその全ての目標が、地球上の全ての人々がより良い未来を享受できるようにという共通のビジョンの下に結びついています。
そしてそれぞれの国、地域、組織、個人がそれぞれの役割を果たすことで、2030年までの目標達成に向けて取り組んでいます。
SDGsの目標は?
SDGsの17の目標
SDGsには、17の目標とそれぞれの目標に紐づく169のターゲットが含まれています。
これらの目標とターゲットは、社会的、環境的、経済的な持続可能性の向上を目指すための道筋を示しています。以下に17の目標を簡単に列挙します。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- 全ての人に健康と福祉を
- 質の高い教育を全ての人に
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを全ての人に
- エネルギーを全ての人に、そして持続可能に
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人々の不平等をなくそう
- 住み続けられる都市と人間的な住居を
- 持続可能な消費と生産を
- 気候変動に具体的な対策を
- 海洋と海洋資源を持続可能に利用しよう
- 陸上の生態系を保護し、生物多様性を守ろう
- 平和と公正を全ての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
それぞれの目標は具体的なターゲットを持ち、それを通じて測定と評価が可能です。これにより、SDGsが効果的に推進されているかどうかが確認できます。
ユニセフの活動に関係するSDGsターゲットは?
SDGsには、17の目標とそれぞれの目標に紐づく169のターゲット(ゴールをより具体的に掘り下げたもの)があります。
ユニセフは世界の子どもに関する活動を行っているので、169のターゲットの中からいくつかピックアップしています。
1.1 極度の貧困の撲滅
1.2 貧困状態にある男性、女性、子どもの割合の半減
1.3 適切な社会保障制度及び対策の実施
1.5 レジリエンスの構築、気候変動等に対する脆弱性の軽減
2.1 飢餓の撲滅
2.2 あらゆる形態の栄養不良を撲滅
3.1 妊産婦死亡率の削減
3.2 新生児・5歳未満児の予防可能な死亡の根絶
3.3 エイズ、結核、マラリアおよび顧みられない熱帯病の根絶
3.6 交通事故による死傷者の半減
3.7 性と生殖に関する保健サービスへのユニバーサル・アクセス
3.8 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成
3.9 大気汚染等による死亡および疾病の削減
4.1 すべての子どもへの無償、公正で質の高い初等・中等教育
4.2 すべての子どもへの質の高い乳幼児発達・ケア、就学前教育
4.4 雇用に必要な技能を備えた若者の増加
4.5 教育における格差の撤廃
4.6 すべての若者の読み書き・計算能力の習得
4.7 教育を通じた持続可能な開発の促進
4.a すべての人を受け入れる学習環境
5.1 女性・女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃
5.2 女性・女子に対するあらゆる形態の暴力の根絶
5.3 児童婚を含むあらゆる有害な慣行の撤廃
5.4 無償の家事労働の評価
5.c ジェンダー平等とエンパワーメントを推進する法・政策
6.1 安全な水へのアクセス
6.2 安全な衛生設備へのアクセスと野外排泄の根絶
7.1 現代的エネルギーへのアクセス
8.5 働きがいのある人間らしい仕事
8.6 ニート率の削減
8.7 強制労働、児童労働等の撲滅
8.b 若者の雇用に関するグローバルな戦略
10.2 すべての人を受け入れる社会・経済・政治の促進
10.7 安全で秩序のある人の移動
11.2 すべての人に配慮した輸送システム
11.7 すべての人が利用可能な公共スペース
12.8 持続可能なライフスタイルに関する知識
13.3 気候変動に関する教育
13.b 気候変動への対応能力の強化
16.1 あらゆる形態の暴力の削減
16.2 子どもに対する虐待、搾取およびあらゆる形態の暴力の根絶
16.3 法の支配と司法へのアクセス
16.9 すべての人への出生登録等の提供
17.9 途上国におけるSDGs実施計画の支援
17.16 グローバル・パートナーシップの強化
17.17 効果的な官民・市民社会のパートナーシップ
17.18 途上国におけるデータ整備の支援
ユニセフの行動目標は?
ユニセフは、子どもの権利条約やSDGsに基づき、2030年を見据えた2022〜2025年の中期事業計画に基づいて活動を展開しています。
- 栄養のある食事、質の高いプライマリーヘルスケア、育成環境、必要不可欠な物資を得て、命が守られ、健全に発育すること
- 教育を受け、将来のためのスキルを学び、身につける機会を得ること
- 暴力や搾取、虐待、ネグレ クト、有害な慣習から守られること
- 清潔な水と衛生サービスや物資に公平にアクセスし、安全で持続可能な気候と環境の中で暮らすこと
- 包括的な社会的保護にアクセスし、貧困に困ることのない生活を送ること
この計画では、貧困削減、住み続けられるまちづくり、気候変動への具体的な対策、平和と公正の実現などが重要な活動分野とされています。これらの活動は、SDGsの目標と密接に関連しており、SDGsの視点からも重要な取り組みとなっています。
ユニセフは、子どもたちに対するあらゆる形態の暴力の根絶や、子どもの貧困の削減など、SDGsに関連するアドボカシー活動を行っています。
SDGsの目標としても掲げられているこれらの課題に取り組むことで、より持続可能な社会の実現を目指しています。
ユニセフのSDGsに関する動画・教材とは?
ユニセフのSDGsに関する動画
日本ユニセフ協会のウェブサイトやYouTubeチャンネルを通じて、SDGsに関する情報や取り組みを視覚的に理解するための資料を提供しています。
ユニセフのSDGsに関する教材
ユニセフのSDGsの普及と実現に向けて、以下のような教材が提供されています。
SDGs CLUB
SDGs CLUBという教材は、子どもたち向けの学習サイトで、SDGsの各目標ごとに内容を分かりやすく解説しています。
ここでは子どもたちが、各目標の意味を理解し、それらがどのように私たちの生活と関連しているかを、映像やインフォグラフィックを通じて学ぶことができます。
SDGs CLUBは、子供たちにSDGsの重要性を教え、それらの目標に向けて行動を起こす意識を育むプラットフォームとなっています。
SDGsの副教材
また、「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」という副教材は、SDGsの17の目標について、国内外の様々な課題や取り組みを紹介するものです。
具体的な例を通じて、これらの目標がどのように実現可能であるかを理解することができます。また、これらの課題を自分自身の生活にどのように関連づけるか、また、自分がどのように貢献できるかについて考えるための手引きともなっています。
これらの動画や教材は、ユニセフがSDGsの普及と実現に向けて行っている啓発活動の一環として提供されています。
子どもたちや教育関係者がSDGsについて学び、行動を起こすためのツールとして活用することができます。
ユニセフハウスではSDGsに対してどのような展示を行っているか
日本ユニセフ協会の事務局でもあるユニセフハウスでは、SDGsに関するパネル展示があります。
各目標についての説明や、SDGsに関するユニセフの取り組みについて紹介されています。
これらの展示を通じて、ユニセフはSDGsに関する情報を提供し、SDGsの普及と実現に向けた啓発活動を行っています。
ユニセフのSDGsに関連する募金は?
ユニセフは、SDGsに関連する活動を行っていますが、SDGsに特化した募金を行っていません。
その代わり、ユニセフ・マンスリーサポート・プログラムや今回の寄付などで、ユニセフの活動を支援することができます。
ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム
ユニセフ・マンスリーサポート・プログラムはユニセフの毎月の寄付で、月500円〜、ユニセフの活動を継続して支援することができます。
ユニセフ・マンスリーサポート・プログラムの申込方法
クレジットカードをお手元に準備していたら、申し込みは3分程度で終わります。
まずは、申込ボタン「1日33円から寄付する」をクリックします。
プルダウンメニューでは以下の金額を選択できます。
- 1,000 / 毎月
- 2,000円 / 毎月
- 3,000円 / 毎月
- 5,000円 / 毎月
- 7,000円 / 毎月
- 10,000円 / 毎月
- 20,000円 / 毎月
ですが寄付額は自由に設定することができ、500円 / 毎月から寄付することができます。
- クレジットカード
- 口座振替
のいずれかから選択します。使用できるカードや銀行の種類は、以下の通りです。
クレジットカード | VISA MasterCard JCB ダイナースクラブ AMERICAN EXPRESS DC UFJ UC NICOS JAL CARD SAISON CARD イオン OMC Cedyna TS3 楽天カード |
口座振替 | 三井住友銀行 みずほ銀行 三菱UFJ銀行 りそな銀行 埼玉りそな銀行 信用金庫 ゆうちょ銀行 地方銀行 など多数 |
口座振替だと、外部サイトに飛んで入力する内容も多くなりますので、クレジットカードでの支払いを選択することを推奨します。
- 名前
- 性別
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- Eメールアドレス
を入力し、次の画面に移ります。
口座振替を選択した場合、金融機関を選択、入力をしていきます。
Eメールでの案内も、グッズも「希望しない」を選択することができます。
この画面が表示されたら、申し込み完了です。こちらの画面をスクロールすると、以下のような画面が出ます。
オンライン登録をすると、連絡先の情報が保存され、変更の手続きが簡単になるので、このまま入力してみましょう。(公式ページからいつでも登録できるので、そのまま終了しても構いません。)
ユニセフへの募金で、SDGsの目標達成しよう
ユニセフの活動は、SDGsの17の目標を達成するための重要な役割を果たしています。特に、健康な生活環境の提供と質の高い教育は、貧困撲滅や社会の不平等解消につながる鍵です。
しかし、これらの活動は広範で持続的な資金援助が必要で、あなたからの募金がその援助の一翼を担います。
あなたの寄付は、教育や保健サービス、子どもたちの権利保護など、持続可能な世界の構築に対する直接的な行動となるのです。ユニセフへの募金で、SDGsの目標達成を一緒に進めましょう!