アフリカには多くの問題があり、その中でも貧困や飢餓、教育や保健などの問題が深刻です。
これらはとても大きな問題ですが、私たちの小さな支援でも、アフリカの人々にとっては大きな力になります。
こちらの記事では、日本に住む私たちが、日本にいながらでも「支援が役に立っている」アフリカ支援のためにできることを3つ紹介します。
アフリカ支援でできること①寄付
寄付でどのような支援ができる?
貧困問題の解決や教育支援、医療支援などの目的で行われる団体やNGOに寄付することで、間接的にアフリカを支援することができます。
また、緊急の自然災害が発生した場合には、赤十字社や国連の支援団体に寄付することもできます。
ここでは、アフリカへの支援を継続的に行っているNGOをご紹介します。
ワールド・ビジョン
どのような団体?
ワールド・ビジョンは、世界各地の貧困や災害に苦しむ子どもたちを支援する国際的なNGO団体です。
日本にも拠点を持ち、アフリカをはじめとする世界各地で、教育、保健、経済支援、災害対応などのプログラムを実施しています。特に、子どもたちの生活改善を目的とした支援を中心として活動しています。
どんな支援を行なっているの?
アフリカを含む、発展途上国の子どもたちを支援するチャイルド・スポンサーシップという支援プログラムを展開しています。
チャイルド・スポンサーシップでは、現地のコミュニティーと協力して、地域に合わせた支援を行い、10年以上の長い年月をかけて地域社会の発展を目指しています。
また、チャイルド・スポンサーシップでは毎月4,500円の寄付を子ども1人を割り当てられ、その子の成長を見守ることができます。
チャイルド・スポンサーシップを通じて、子どもたちと支援者が手紙などで直接交流することができます。
写真は、私が実際に支援している子どもからもらった手紙や写真です!
この手紙や写真を見ると「私の寄付がこの子に役立っているんだな」と心がじんわり温かくなります。
プラン・インターナショナル
どのような団体?
プラン・インターナショナルは、国際的な子ども支援団体であり、特に女性や女の子の権利を重視して活動している国際NGOです。1937年に英国で創設され、現在は世界70カ国以上で活動しています。
プラン・インターナショナルは、貧困や不平等、偏見、暴力、災害などに苦しむ子どもたちを支援し、彼らの人権を守ることを使命としています。特に、女性や女の子の教育や保健、エンパワーメント、性的暴力や児童労働の撲滅、災害時の支援などに力を入れています。
どんな支援を行なっているの?
プラン・インターナショナルは、アフリカ諸国の貧困や教育、保健、災害などの問題に取り組むため、子ども支援プログラム「プラン・スポンサーシップ」を展開しています。
このプログラムでは、アフリカなどの発展途上国に住む子どもたちが登録され、スポンサーからの支援によって教育や健康、生活環境の改善が行われています。
具体的な支援内容として、
- 学校建設や教育資材の提供
- 医療機関の建設や医療機器の提供
- 食糧や水の供給
- 住居の改善
- 災害対応
などを行っています。
寄付する金額は、支援する子ども1人あたり3,000円、4,000円、5,000円から選ぶことができます。
これにより、子どもたちとその家族の生活環境の改善と経済的自立の促進を目指しています。
ユニセフ
どのような団体?
ユニセフは子どもの権利条約に基づき、世界のあらゆる地域で貧困に苦しむ子どもたちの生活環境を改善するために、子どもの生存、保健、教育、栄養、衛生、保護などの活動をしています。
どんな支援を行なっているの?
ユニセフはアフリカにおいて、子どもたちの生存、保健、教育、栄養、衛生、保護などの分野で支援を行っています。
具体的には、アフリカにおける幼児死亡率の高さに対応し、乳幼児の栄養改善を目的としたプログラムを実施しています。また、予防接種キャンペーンを通じて、ポリオや麻疹などの感染症の予防にも力を入れています。
教育分野においては、学校建設支援や、学校に通う女子児童の増加を促すための取り組みを行っています。さらに、水や衛生分野においては、アフリカの地域に応じた水源開発や、トイレの整備などの支援を行っています。
また、アフリカ地域における紛争や戦争に巻き込まれた子どもたちへの支援も行っており、難民キャンプや人道支援活動にも力を入れています。
アフリカ支援でできること②アフリカ製品の購入
アフリカ製品を購入することは、アフリカの経済発展に貢献することができます。
アフリカ製品には、手工芸品、農産物、茶、コーヒー、スパイスなどがありますが、その中でも、フェアトレード製品を購入することでよりアフリカ支援につながります。
フェアトレードとは、現地の生産者や労働者の権利を尊重し、適正な報酬を支払い、環境に配慮した商品を提供することを目指す取り組みです。
フェアトレード製品を購入することで、現地の生産者が適正な価格で商品を販売することができ、生産者の生活水準向上につながります。
アフリカ支援でできること③アフリカに関する情報収集・啓発
アフリカに関する情報を収集し、自身の周りの人々に啓発することで、アフリカへの理解や関心を高めることができます。
例えば、アフリカの歴史、文化、環境、課題などについて学び、SNSやブログなどのオンラインメディアを通じて情報を発信することができます。
また、学校や地域のイベントなどで、アフリカに関するプレゼンテーションを行うこともできます。
アフリカにはどのような問題がある?
貧困
アフリカの中でも、サブサハラ・アフリカと呼ばれるサハラ砂漠よりも南側の地域が特に深刻です。
2015年において、サブサハラ・アフリカの人々のうち、41.1%が1日1.9ドル以下の国際貧困ライン以下で生活しています。
また、COVID-19の影響により、経済活動の停滞や貧困層の生活悪化が懸念されています。
疾病
アフリカでは、マラリアやHIV/AIDS、結核などの感染症が広がっており、特に子供や貧困層の健康を脅かしています。
2020年には、世界で年間約2億4100万人がマラリアに感染し、約62万7000人が死に至りました(「World Malaria Report 2021」)。その90%がサハラ以南のアフリカで発生し、犠牲者の多くは5歳以下の子供たちです。
住友化学公式ページより引用
国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2016年の報告によれば、2015年のHIVの感染者数は世界で約3,670万人、そのうちサブサハラアフリカの感染者数が約69%を占めており、世界で最もHIV/エイズの影響を受けている地域と言えます。
日本赤十字社公式ページより引用
また、ワクチン接種率の低さにより、ポリオや麻疹などの病気も依然として流行しています。これらの疾病は、貧困、飢餓、水質の悪化などの要因により広がっているため、十分な医療サービスや予防・治療手段を整備していかなけばいけません。
教育の不足
アフリカ、特にサハラ以南のアフリカ(サブサハラ・アフリカ)では小学校の就学率が81%、修了率が63%と世界の割合から見ても低いです。
特に女性や農村部の子どもで深刻で、女性は結婚や出産のために教育を受けられず、農村部の子供たちは学校が遠く、貧困のために学校に通えないことがあります。
また、教育環境の整備不足や教師不足も問題となっています。教育の問題は、アフリカの子どもたちの人権や将来に関わる重要な問題です。
紛争と戦争
アフリカには、内戦や紛争が多く、政治、民族、宗教、資源等の要因が絡み合い、深刻な人道危機を引き起こしています。
紛争により多数の犠牲者が出たり、国内避難民や難民が発生したり、教育や医療などの基本的人権が侵害されたりすることがあります。
また、武器密輸や資源の横領などの問題も根深く、紛争が長期化する原因となっています。
環境問題
アフリカには、熱帯雨林の伐採や乾燥化、砂漠化、土壌劣化などの環境問題があります。
過剰な伐採、違法な野生動物の密猟、不法投棄などが環境破壊の原因となっており、草原の減少や砂漠化などの問題を引き起こしています。
また、廃棄物の不適切な処理や燃焼によって、大気汚染が進み、健康被害を引き起こしています。
さらに、地球規模の気候変動の影響により、農業生産や水資源の確保が困難になることが懸念されています。
水資源の不足
アフリカ大陸の多くの国々は水資源に恵まれておらず、水不足が深刻な問題となっています。
水不足は、飲料水や衛生状態の悪化、農業生産の低下、飢餓などを引き起こし、人々の生活に深刻な影響を与えています。
特に、農村部や都市部の貧困層、女性や子どもたちは、水不足によって健康や生計が脅かされることが多いです。
また、気候変動による降雨量の減少や不規則な降雨など、自然環境の変化も水不足を深刻化させています。
アフリカ大陸の水不足解消には、水資源の効率的な利用や管理、水道や灌漑施設の整備などが必要不可欠です。
ジェンダー不平等
アフリカでは、女性に対するジェンダー不平等が深刻な問題となっています。女性は男性に比べて、教育・雇用機会の不足、貧困、健康問題、暴力、女性器切除など多くの課題に直面しています。
また、女性の権利を保護する法律も存在するにもかかわらず、不十分な法執行や文化的・社会的な慣習により、法律が実質的に実施されていない場合もあります
難民・移民問題
アフリカには、内戦や紛争、飢餓、環境変化などの要因によって多くの人々が国外に逃れることを余儀なくされています。
これによって、アフリカの他の地域や海外に大量の難民や移民が生まれており、これに関連して難民キャンプや移民収容所の問題も深刻化しています。ま
た、移民に対する人権侵害や人種差別も問題となっています。
アフリカの問題は、日本に住む私たちにどのように関わってくる?
食品の輸入が困難になる
アフリカからの農産物の輸入は、日本の食料安定に不可欠です。アフリカの持続可能な農業開発は、世界的な飢餓対策につながるとともに、日本の食料安定政策にも重要な役割を果たしています。
レアメタルなどの産業
アフリカにはレアメタルをはじめとする天然資源が多く存在します。日本企業は、アフリカにおける原料調達や生産拠点の確保など、アフリカとの経済的な関係を築いています。
国際社会との関係
アフリカには、国連加盟国の多くが存在しています。そのため、アフリカに対する日本の政策は、国際社会との関係を含め、日本の外交政策の一環として重要な位置を占めます。
また、アフリカ諸国との協力は、国際社会における日本の存在感を高める上でも重要な役割を果たしています。
できることから支援
日本にいながらでも、アフリカを支援できる方法を3つご紹介しました。
食品や産業でも繋がりの深いアフリカ。ぜひ遠い国のことと思わず、できることからアフリカへの支援をしてみましょう。